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大量生産の時代だからこそ、モノにこだわる 梅田晴夫『紳士のライセンス』より

大量生産の時代だからこそ、モノにこだわる

梅田晴夫『紳士のライセンス 国際人のための一級品事典』

”序にかえて”からの引用。

「敵を知り、己れを知ることが戦いに勝つ秘訣だということだから、自分がこれから選び、買い、身に着けようと思う一つ一つの品物がどこからどういう手続きで生れ、どこをどう通って今日そこにあるのかを知るということが絶対に必要なことと私には思われる。それを知ることによって、誰しもがそのものと自分自身の関係について得心が行くというものだから、私は<紳士>が最小限身に着けるべき品物の一つ一つについて、その生い立ちやその生まれ以後のゆくたてを出来るかぎり正確に辿ってみることにした。」(梅田,1970,pp.5-6)

「紳士」とは何か。
この本の目指すところは、国際人として通用する紳士をモノへのこだわりから光を当てることである。
”買う”として、背広服、靴、ネクタイ、帽子、時計など
”飲む”として、酒、珈琲、タバコ、
”打つ”として、競馬とゴルフ、
”拾う”として、クラシックカメラ、クラシック万年筆について言及されている。

「買う」、「飲む」、「打つ」、「拾う」の4つの項目から、身に着けるモノに対する梅田氏のこだわりが書かれている。

1970年に出版。執筆自体は1960年代の高度経済成長期であろう。大量生産の時代にあって、これからの時代にはモノへのこだわりこそが重要だ、というメッセージとともに、日本人に国際人としての条件を紹介した本である。

インテリな筆者には、高度経済成長にある日本人の姿が、どのように見えたのであろうか。約半世紀前の本であり、今後古典としての価値がでてくる本であろう。

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