独創性と創造性~常識論をすべて出す 板坂元『知的仕事の技術 遊びの技術』より
板坂元(1995)『知的仕事の技術 遊びの技術』文化創作出版
この本は、タイトルのとおり仕事と遊びの技術に関して、発想術、説得術、情報術、対人術、時間術、服装術、リフレッシュ術、統率術の八つの観点から書かれたエッセイである。
独創性と創造性
この本の中から知的生活に深いかかわりがある「独創性と創造性」について紹介する。
筆者は、独創性と創造性に関する海外の文献調査からひとつの共通項を発見したという。
それらは、型にはまった考え方から離脱するために、どのように心と体の訓練をするかという課題をテーマにしているということだという。
筆者によれば、独創力の有無は、普段から頭を使っているかいないかということである。多くの人は、「頭を使うこと」と「気をつかう」を混同しているらしい。
独創的な思い付き(インスピレーション)は人が何かを行動しているときに降りてくることが多い。これは古今問わないということだ。
そして、具体的かつ身近なインスピレーションを得る方法=発想力は情報の料理が基本ということだ。
雑然としたナマのままの情報を、まとめてひとつの体系に組みなおしてみると、何らかの価値が生まれ来る。どのように加工すれば情報が価値あるものになるのかを考えることが発想力の強化には有用であるという。このひとつの体系にするという能力は、ひとつの専門分野からは育たない。つまり、様々な経験が役に立つということである。
筆者は、企画立案を例にして説明する。
企画を考えるときには、まず常識論をできるだけ多く並べる。そして、常識論が出尽くした後に、苦しんで出した答えが本物の企画につながるという。